朝の霧は眩しく。

"理想と現実" の "現実"側

夏なんかない

寒い日が続いている。

 

 

 

 

袖のないワンピース型の部屋着は、わたしの家で着るには涼しすぎるようで

季節外れのブランケットに深くくるまりながら1日を過ごしている。

 

祖父母の家に、わたしだけ行かなかった。

お墓参りも、行かなかった。

 

お盆休み、父は1週間ほど家に滞在しているが

わたしはバイトか、バイトがない日は一日中寝ていて

大事な話をされないように逃げてきた。

 

 

 

趣味がなくなった。なにをしても満たされないので

趣味をやめた。

 

動画サイトやアプリを立ち上げて眺めては閉じ、

新しいなにかがないかと探しながらも、

興味の湧きあがらない心は濁って淀んだ泥水のようで

自分に一粒のきらめきも見いだせなくなった。

 

 

人と連絡がとれなくなった。

どんどんできなくなっていく。返信の間隔が空いていく。

他人がどうでもよくなっていく。

 

 

外に出られない。

徒歩2分のコンビニに行こうと思ってから1時間半が経った。

 

 

勇気をください、と念じながらYouTubeを開く。

気が紛れる動画を見てなんとか自分を立ち上がらせている。

 

くだらないと笑われるだろうか。

 

 

夏なんかない、夏休みなんかない。

いつもと変わらずただひとりで苦しくて、

誰に助けを求めていいかもわからなくて、

そもそもなにが苦しいかを考えることすら怖くて。

 

 

ぬるい生を享受するだけのわたしは悪い子で。

自分の中でいちばん大切な感受性を殺し続けている。

 

 

なにもすることがないので寝ている

ご飯は食べすぎて夜中に吐く

なにもしない日の煙草は不味い

 

たいした意味のない、文字の羅列

 

 

 

自分の人生になんの価値があったんだっけ。

 

誰にも会いたくないのに

誰かと会わないと自分が何者かわからなくなるなんて。

 

希望がないと夢も見られないもんなんだな、

当たり前を再確認した。

 

 

 

さて、なにが希望だったんだっけ

 

 

 

やっと今日の終わりが見えてきたのに

また消費するだけの明日がやってくる。